ピロリ菌の除菌治療
胃レントゲンは当院で施行し、胃潰瘍・十二指腸潰瘍があれば、当科でピロリ菌の検査、除菌を健康保険で施行いたします。
慢性胃炎、もしくは、潰瘍瘢痕については、内視鏡検査が必須です。
他施設で行った内視鏡の検査結果、紹介状(慢性胃炎、潰瘍瘢痕が内視鏡で診断された旨を記載)を御持参下されば、同様に保険適応となります。
また、胃内視鏡が適応となる方については、ご希望が有れば、連携施設に御紹介いたします。

ピロリ菌とは?
ピロリ菌は、らせん形の微好気性のグラム陰性桿菌で、胃の粘膜に生息しています。
40歳以上では70~80%の人がピロリ感染していると言われています。
ピロリ菌の感染は、胃粘膜の慢性炎症を背景として、萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、胃MALT リンパ腫、胃過形成性ポリープなどの様々な上部消化管疾患を起こすとされています。
近年、ピロリ菌の除菌治療を行うと、胃潰瘍・十二指腸潰瘍だけではなく、胃がんの発生も予防できることがはっきりしてきました。
ピロリ菌の検査および除菌
健康保険を利用してピロリ菌の検査および除菌が出来る方は、
1.内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍 又は十二指腸潰の確定診断がなされた
  患者、潰瘍瘢痕、慢性胃炎の確定診断は、内視鏡検査に限ります。
2.胃MALTリンパ腫
3.特発性血小板減少性紫斑病
4.早期胃癌に対する内視鏡的治療後
5.内視鏡検査で,慢性胃炎と確定診断された方
ピロリ菌の検査法
まずは、ピロリ菌が実際にいるかどうかの確認が必要です。
検査方法としては以下の方法がありますが、それぞれ一長一短があります。
1.ウレアーゼ試験:内視鏡検査時にしか行えない
2.血液中の抗体:採血でよいが、除菌後も陽性のままなので、除菌後は使えない
3.尿素呼気試験:簡便である
4.便中ピロリ抗原:当日の便を採取する必要がある

当院では,尿素呼気試験を施行していますが、予約を必ずして下さい。
ピロリ菌の除菌
現在、一次除菌と二次除菌(一次除菌が不成功の場合の再チャレンジ)が保険適応となっています。

1.一次除菌(初めての除菌、保険適応)
初めてピロリ菌の除菌をする場合は、プロトンポンプ阻害薬と呼ばれる胃酸を抑える薬と二種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)を7日間、
朝夕食後に分けて服用します。
現在では耐性菌も増加し始めており、1次除菌の成功率は70~80%となっています。
プロトンポンプ阻害薬+アモキシシリン+クラリスロマイシン 1日2回 7日間

2.二次除菌(一次除菌で不成功であった場合、保険適応)
一次除菌で除菌できない場合は、抗生物質を他の薬に変えて再度除菌します。
通常、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更して7日間同様に服用する方法が行われます。なお、メトロニダゾール内服中は禁酒が特に必要です。メトロニダゾールを使った二次除菌の成功率は約90%です。
プロトンポンプ阻害薬+アモキシシリン+メトロニダゾール 1日2回 7日間

一次除菌、二次除菌とも除菌が成功したかどうかは除菌治療終了後4 週間以上あけて検査します。
2回目の除菌治療では、1回目に失敗した方でも約90%の方で除菌できます。
当院では、尿素呼気試験により除菌判定をおこないます。
ピロリ菌除菌治療の副作用

除菌治療の主な副作用として以下のものが報告されています。
いずれも除菌治療時の一時的なものであると考えられています。

1.下痢・軟便
2.味覚異常:食べ物の味を苦く感じたり、
  おかしいと感じたりすることがあります。
3.肝機能の上昇:AST(GOT)・ALT(GPT)の変動:
  肝機能の検査値が上がることがあります。
4.逆流性食道炎:除菌療法が成功した後に、胃酸の分泌が盛んになり、
  一時的に胃炎や逆流性食道炎(胸やけ)を生じることがあります。
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